カラーのスナップ+モノクロ

カメラが趣味で撮影した写真を載せてます。

12-FEB-2021

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RIOCH GR

1980年代、小学校4年生頃のことだっただろうか、叔母からリコーのオートハーフをもらった。てっきりコニカのC35見たいなカメラだと思ってたので、オートハーフの小さいボディは、雑誌の付録のようでなんかがっかりなデザインだった。しかし、なんと普通のフィルムで倍撮れる!との説明を聞くことで、「24枚撮りなら48枚、36枚撮りなら72枚も撮れる」と、初めての自分のカメラに興奮したのを覚えている。確か36枚撮りのフィルムを買ってもらって、父親に「これで当分は持つな」とか言われながらパチパチ撮っていたと思う。もったいないから、ここぞと言うときに撮るんだとか親から言われていたから、72枚を撮り終わるのには結構な月日が必用だったと思う。たぶん、3ヶ月ぐらいなんだろうけど、子供にはとても長い時間に感じた。ようやく撮り終わって、現像を母親にお願いした訳だがここで事件が起こる。

当時は同時プリントが当たり前で、普通はだいたい同時プリントで現像に出すのが一般的だった。写真ができあがるのがとにかく待ち遠しかく、写真を受け取りにいった母親の帰りが待ち遠しかった。しかし、帰ってきた母親は鬼の形相で、「いくらしたと思ってる!」のと怒鳴りつけられた。金額は覚えていないが、現像代が800円、70枚×30円として3000円ぐらいだったんじゃなかろうか?いまだと、6000円以上の価値かもしれない。それは日々の家計を預かる主婦としては、ゆるしがたい金額だったろう。最初に写真を受け取ったため買い物もろくにできず、その日の晩はとても粗末なものであったことを覚えている。

さて肝心の写真の方だが、モルトが劣化していたのかフタが壊れていたのか、3ヶ月以上入れっぱなしのフィルムだったため70枚以上の写真ほぼすべてに光が入っており、これまたがっかりだった。高い金額を支払ったわけだから、せめて写真をみて怒りを収めるようと思った母親は、光の入った写真をみてこれまた激高したのを覚えている。

母親は仕事から帰ってきた父親にこのことを報告し、父親からも怒られると思っていたけども、その日の粗末な夕飯を食べながら父親は「そうか」と苦笑いしていたのを覚えている。今年はそんな父親の七回忌。